空き家相談士の使命・役割
空き家は、適切に管理され、有効に活用されることが大切です。有効に活用するためには、空き家が抱えている相続やその他の問題点を解決し、その物件の地域性・特性を踏まえてリフォーム・リノベーションを行って、より高い価値の物件へと転用することが重要です。
空き家・空きビルをリノベーションしたうえで、グループホーム・シェアハウス・ホテル等に転用することは、空き家の有効活用を図るだけでなく、街の活性化にも繋がる大事な仕事と言えます。
空き家問題を解決するためには、空き家を取り巻く社会環境・法律・税務・登記・相続に関する知識、また、リノベーションを行う際の建築に関する規定等の多岐にわたる知識と技量を身に付けることです。
空き家相談士とは、これらの知識を学び、そのうえで高い見識を持って依頼者の相談に乗り、社会に貢献していく重要な役割を担っている資格者です。
専門知識の習得
空き家相談士が学ぶことは多岐にわたります。
まず、平成27年5月に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」を理解すること、次に賃貸借契約や保証契約・不法行為等、そして実際の紛争解決の様々な方法、重要な強制執行手続と行政代執行手続を学ぶことです。税務については空き家に関する固定資産税・都市計画税・所得税・中古資産の耐用年数や不動産の譲渡所得税、相続税・贈与税等の知識を学ぶこと、登記については特に近隣者との境界確定、相続や遺言・後見について、建築については空き家の利用活用の運用方法や解体知識、建築基準法の改正やコンバージョン、リフォーム等のやり方の知識を習得することが重要です。
空き家相談士の法令順守
空き家相談士の相談業務は、相談者のプライバシーにも関わる内容を聞いたうえで、問題の解決方法・物件の適切なる処分方法について相談に乗ることです。したがって、依頼者との信頼関係を築いたうえで業務を遂行することが必要であり、業務上知り得た秘密を守る守秘義務を厳守し、同時に社会的なモラルを守らなければなりません。
相談業務を行うものとしては、まず法令に従った業務処理と、依頼者と社会に対する倫理を大切にすることが重要です。空き家相談士は空き家相談業務を通じて、信頼性のある地域社会のリーダーとなる資格であり、行政機関との連携をもって空き家問題の解決に努力することが期待されています。